摂らなければいけない油(脂質)のお話

みなさん、5月14日に放映されたNHKの「クローズアップ現代」をご覧になりましたか?早くて来春、健康食品に関する法律が大幅に規制緩和されます。

今までは、心臓に効く、とか花粉症を改善する、などの表記が禁止されていたのが、企業の責任においてそういった表記をしてもよいとういことになるのです。アメリカが20年前に規制緩和して、大失敗しているのになぜ?~これは、皆さんの身体のため、というより、経済発展のためにやろうとしている成長戦略です。

ますます、私たちは正しい知識を得て、自分の身体は自分で守るというしっかりした自覚を持たなければいけない時代に入っていますよ。

油を減らすと本当に身体に良いのか?

さて、ずっとお塩の話をしてきましたが、まだまだこれくらいの話では、皆さんの根強い減塩信仰を払拭することはできなさそうです。ただ、あまりお塩の話ばかり続けても飽きてしまうでしょうから、今日はやはり、減らさなければいけない、という信仰が強い「油」のお話をしましょう。

日ごろの食生活で気を付けていることとは、と尋ねられたら、減塩と並んで多い答えが、できるだけ油を控えています、ではないでしょうか?最近は国も、油が大切だということを言い始めていますが、塩と並んで、なかなか浸透しないようですね。

摂りすぎたら太る、健康に悪い、と多くの人が思っている「油」について、今回から少しずつ、減らした方がいい油、摂らなければいけない油についてお話ししていきますね。

油(脂質)は、三大栄養素の一つで、人体には欠かせない栄養素です。漠然と、動物性より植物性のほうがいいのでは、とか、リノール酸がいい、などと思っているかもしれませんが、植物性の油がすべていいかというとそうでもなく、リノール酸がいいといわれているのも間違いで摂りすぎると病気になります。かの有名女優、オードリー・ヘプバーンが紅花油を摂りすぎて大腸癌になったのは有名な話です。

知っておくべき「油」の種類

動物性は「脂」、植物性は「油」と表記しますが、魚は、動物性でありながら「油」に分類され、ヤシ油は植物でありながら「脂」と表記します。

ヤシ油は常温で固まる性質を生かして、どろっとしたもの、例えば、コーヒーフレッシュ、マーガリン、カレーのルー、シャンプー、リンス、液体洗剤等幅広く使われています。

また動物は体温40度くらいなので体温36度の人間が摂取すると体内で固まりやすいのに対して、魚は水温17度くらいで生息しており、人間の体内では固まることはありません。かつ海草・藻やプランクトンを食べているため、人体に有用なDHA・EPA等のα-リノレン酸を多く含んでいます。

また、豆知識ですが、菜種・コーン・パーム・シソ・荏胡麻・大豆…これらの油が、すべてシード「種」を絞っているのに対して、オリーブ油だけは「油」といいながら、オリーブの「果実」を絞ったオリーブジュースなんですよ。エキストラバージンオイルを青臭く感じるのはそのせいです。草の匂いのようだからといって敬遠されがちです。

諸悪の根源?トランス脂肪酸のお話

今日、必ず覚えてほしいのは、欧米諸国がもう数十年前から(アメリカも7年前)使用が制限されている「トランス脂肪酸」が日本では、何の規制も表示義務もないまま大量に使用されているという事実です。

健康よりも経済が優先された結果、化学的につくられた「自然界には存在しない」トランス脂肪酸ができあがったのです。
化学的に作られたトランス脂肪酸は、安く提供できる一方で、多量の化学物質や水素を用いて抽出され、高温にさらされる過程で生まれた有害物質が多く含まれています。これが高血圧・動脈硬化・血栓症・心臓病・癌・不妊症の原因といわれています。

欧米諸国では、使用量0.1%以下と定められているのに対し、含有量の表示義務がない日本では、外食産業の多くで、トランス脂肪酸2.4%(24倍です!)以上の食用油が使われ、ファーストフードのみならず、マーガリン、加工食品(フライドポテト、ポテトチップス、スナック菓子)等々私の身近な食品にあふれているのです。

これだけ身の回りにあふれているトランス脂肪酸をすぐにすべて取り去ることは難しいとしても、トランス脂肪酸が、癌や心筋梗塞、高血圧、悪玉コレステロールの増加、妊娠率の低下などを引き起こす人体に大変有害な油だという認識を持ったうえで、食べる食べないの選択をしてくださいね。

このように「油」と一口に言っても、お話しすることは山のようにあって、お塩に引き続き、みなさんにとっては目からうろこの情報もたくさんあるかもしれませんが、口に入れたものであなたの体は出来上がります。

健康はすべてではありませんが、「健康を失うとすべて失った」という方々が実際お客様として来られています。なにはなくても健康が一番!少しずつ、正しい知識を身につけて、元気な体をつくりましょう。

~自分の健康は自分で守る~・~自分の病気は自分で治す~

ではまた次回!

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