生命の源 「水」の働き~水と身体と健康について

地球と水の誕生。 生命を育んだ水の存在

地球は約46億年前に誕生したといわれています。 ですがはじめから地球に水があったわけではありません。
誕生して数億年は岩石の塊で、水の素になる水や酸素もその中に存在していました。

この岩石が地殻の熱で溶かされ、 遊離した水素と酸素が結合して水ができたと考えられています。
高温の地表、 太陽の熱により水は水蒸気となり、厚 い雲となって地球を包みました。

そして、 地球に降り注ぐ雨は、 岩石に閉じ込められていた多くの多様なミネラルを溶かし海が生まれました。

海水には80種類以上もの元素が溶けています。
海 中の元素は次第に結びつき、アミノ酸や糖となりやがてタンパク質や核酸ができました。

これが遺伝子の元となり、 生命が誕生し、人間にまで進化をとげたのです。
だから私たち生命は、すべて 「母なる海」から生まれたといっても過言ではありません。
はじめての生命は、水の中で単細胞の生物として発生しました。

その後、長い時間をかけて多細胞生物に進化し、 脊椎動物が生まれ、 陸上へ上がり肺呼吸する生物が現れました。

そして少しずつ、長い進化の道のりを経てようやく人類が誕生しました。
しかし陸に上がった生命は決して海と無縁になったわけではありません。

私たちの身体の中にはたくさんの「体液」と呼ばれる水分があります。

その「体液」、「血液」そして、女性が胎内で新しい生命を育むための 「羊水」 にいたるまで、
これらは全て電解質 (イオン) を含み、太古の海水に成分が似ていると考えられています。

これは、生命が海の中で誕生した名残でありまさに私たちの身体は「内なる海」を持っているといえます。

水なしでは生きれない人間

人間の体内にある水は体重のおよそ55 ~ 75%と言われています。
体重50kgの人なら、およそ30リットルの水が体内にあることになります。
その構成は、約3分の2が細胞内液、4分の1が細胞間液、
残りの12分の1が血漿(けっしょう) 中にあるといわれています。

これらの水が、体のなかでそれぞれが重要な役割を果たしています。
まるで水が地球上で循環するように私たちの体内でも、
水の働きによって身体の中を循環し、生命を維持しているのです。

生命の源 「水」の働き~水と身体と健康について ②

体内での水の働きとは

私たちの体内における水のはたらきをひとことでいうと、「からだの状態を一定に保つ」 ことです。

私たちが摂取した水分は小腸・大腸で吸収され、血液やリンパ液などの体液とともに、 全身を巡ります。
血液に入った水分は動脈を通じて全身の臓器や細胞に「酸素や栄養」を運び、静脈・リンパ管によって「二酸化炭素や老廃物」 を運びます。

からだに必要な水分を摂取しないと全身の循環機能が滞る一因ともなります。
血液中の水分量が減少すると、 同時に血圧も急激に低下します。

血圧・ 水分量が低下すると、血液の流れも鈍くなり、 「発熱」「息苦しさ」「肌荒れ」「皮膚炎」「筋肉痛」といった症状があらわれやすくなります。
逆に水分を摂り過ぎてしまうと、「全身の倦怠感」「眠気」「手足の冷え」「むくみ」「下痢」「食欲不振」などが感じられます。
全身に栄養と酸素を運ぶ 「血液の循環」 をよくするには、適切な水分バランスが大切なのです。

水が体内で循環するしくみについて

体内の水の循環を考える上で、「循環器系」と呼ばれるシステムについて理解しておく必要があります。
身体の細胞は活動するために 酸素や栄養分を必要とします。

そして活動の結果生じた二酸化炭素や老廃物を排除する必要があります。

血液は心臓や筋肉などの運動により、身体の各部に運ばれます。
免疫のための白血球の運搬などの役目もあります。
食べた物を分解したり、免疫細胞によってウィルスを駆除する時やミネラルを使い筋肉を動かして運動すると熱を生じます。

血液がその熱に暖められ、全身に巡っている状態、 これが私たちの 「体温」となります。
水は循環によって体温調節にも深く関わっているのです。

血液の成分と役目とは

血液は体重の約12分の1 ~ 13分の1(7~8%)を占めます。
血液はその45%が赤血球、白血球、血小板などの細胞成分で、残り約55%は液体成分である血漿からなっています。
「水」が主成分である 「血液」「リンパ液」の循環によって酸素や栄養が運ばれ、ウィルスなどの外敵から身を守り、細胞は生きつづけます。

血液循環を正常に保つことが、ひとつひとつの細胞の活性化に繋がり、それが、体全体の活力を生み、免疫力・治癒力を高めます。

血液の83%は水です。
血液を運ぶポンプの役割を果たす心臓は1分間に約70回拍動し、1回の拍動でおよそ70mlの血液を送りだします。

つまり1分間に約5リットル1日に約7200リットルの血液が体内を循環している事になります。

血液の巡り方と血管の構造 ①

血液は心臓を中心にして体全体をめぐっていますが、それには大循環 (体循環)小循環(肺循環) の2のルートがあります。
血管には心臓から体の末端に血液を送る動脈と、体の末端から心臓に向かって血液を送る静脈とがあります。
動脈系は、左心室の大動脈口から始まる大動脈という1本の本幹があり、それから枝分かれして全身に分布しています。

これらの動脈はさらに分枝しながら最終的には毛細血管となり、各組織に血液を運びます。 毛細血管は再び合流して静脈となり、 やがて太い大静脈となっ
てリンパ管と合流して心臓に戻ってきます。このように心臓と各組織との間をめぐるルートを大循環(約40秒で1周)といいます。

一方、これとは別に心臓と肺との間をめぐる血液のルートがあり、これを小循環 (約10秒で1周)といいます。
小循環では、心臓から肺に行く肺動脈内には、 大循環の動脈とは逆に二酸化炭素を多く含んだ静脈血が流れ、肺から心臓に向かう肺静脈内には、肺でガス
交換をして酸素を多く含み、きれいになった動脈血が流れています。

血液の巡り方と血管の構造 ②

血管は、 内膜、中膜、外膜の3層からなっています。
動脈の壁は拍動性の血流と血圧に耐えられるよう厚く弾力があり、内部の圧が減っても丸い形が保てるようになっています。
静脈の壁は薄く柔らかです。

動脈・・・ 心臓から出た血液を末梢に運ぶ血管で、中膜の平滑筋と弾性線維により伸縮性と弾性があります。
末端は枝分かれして細くなっており、 これを細動脈といいます。

静脈・・・毛細血管に続き、 血液を心臓に送り返す血管で、中膜の平滑筋が少なく弾性も乏しくなっています。 始まりの部分は細静脈といいます。 場所により内膜に半月状の静脈弁を持ち血液の逆流を防いでいます。
皮下組織内を走行する静脈を皮静脈と総称しています。

毛細血管・・・細動脈と細静脈とを結ぶ網目状の血管で最も細い血管 (4~20μm) です。
壁は単層の内皮細胞からなり、 平滑筋はありません。

壁の細胞のすきまを通して、血管内の血液中と組織の間で、イオン化した栄養素、老廃物さらに酸素、二酸化炭素などの物質交換が行われます。

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