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栄養素「フィトケミカル」が注目される理由 フィトケミカルとは、野菜、果物、豆類、芋類、海藻、お茶やハー ブなど、「色」「香り」「苦味」といった今まで栄養素とは考えら れていなかった成分から発見された化学物質の事です。食物の5 大栄養素は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル ですが、近年食物繊維が第6の栄養素として注目を集めました。 また食物繊維同様、栄養素と考えられていなかった「色」「香り」 「苦味」等の植物性食品の成分が第7の栄養素「フィトケミカル」 として取り上げられるようになりました。 フィトケミカルの注目すべき点はその抗酸化力です。私たちは鉄がサビることと同様に身体も放っ ておくとしだいに酸化(老化)してしまいます。酸化とは物質が酸素と結びついて別の物質ができ ることです。とくに酸化力の強い酸素を活性酸素といい、これを取り去ること(還元)、すなわち 酸化を防ぐちからである抗酸化力は、生命を若々しく維持する力として注目を集めています。 酸化は、さまざまな病気や老化の原因とされ、がんや認知症、生活習慣病とも密接な因果関係があ るといわれています。これらの疾患に対してビタミンやミネラルとともに、フィトケミカルを上手 に摂り入れることにより、予防に役立てるのではないかと期待されています。 フィトケミカルにはどんな種類があるの? 現在までに発見されているフィトケミカルは約 900 種類程度ですが、おそらく約1万数千種類あ るのではないかといわれ、現在さまざまな研究が進められています。フィトケミカルの多くは色素 成分なので、野菜や果物の見た目の色で分類されます。赤、橙、黄、緑、紫の5色に、苦味やアク を黒、香りや風味を白として加えた 7 色にわけられるので、それらをバランスよく摂取すると良い でしょう。まずファイトケミカルはその性質などから、大きく 5 つに分類することができます。
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フィトケミカルの分類と特徴 抗酸化作用が強い「ポリフェノール類」 ポリフェノールは植物が光合成を行う時にできる物質の総称です。糖分の一部が変化したもの で植物の葉や花、樹皮などに含まれており、人間の体内に入っても抗酸化物質として有効に働 くことが分かっています。ほとんど全ての植物に存在する成分で、たくさんの種類があります。 抗酸化作用にはビタミンCやEが知られていますが、ポリフェノールはこれらより強力な作用 があり、水溶性・脂溶性のどちらでも働きます。水に溶けやすい性質で即効性はありますが、 効果が長時間持続しないのが特徴です。だからこまめに野菜を食べる習慣をつけることが良い でしょう。
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フィトケミカルの分類と特徴 殺菌作用が強い 「イオウ化合物」 イオウ化合物は硫黄を含む化合物のことです。にんにくやねぎ、わさびなど刺激のある香りの 成分のもとです。これらの成分の中には刺激が強いものもある為、取り過ぎると胃や腸の粘液 を傷つけてしまう事があります。加熱したり酵素と共に食べると、刺激が和らぎます。 強い抗酸化・殺菌作用があり血栓を溶かしたり、血液の循環を促進させる働きもあります。食 中毒予防や動脈硬化予防にも効果を発揮します。例えばにんにくに含まれるアリインは、酵素 の作用でアリシンという抗酸化成分になり、炭水化物の代謝に不可欠なビタミンB1 と結合し てアリチアミンという持続性の高いものになるため、スタミナ回復に効果を発揮します。 精神を安定させる 「テルペン類」 テルペン類は、テルペノイドともいい、かんきつ類特有の香りや苦味の成分です。魚を焼くと 発がん物質であるニトロソ化合物が生成されますが、かんきつ類の香り成分はニトロソ化合物 の生成を抑制します。焼き魚にレモンの果汁をかける食べ方は、発がん物質の生成量を減少さ せるという意味で理にかなっているのです。 また、テルペン類の香りはアロマテラピー、香水などに広く使われています。その香り成分が 神経系や免疫系などに働きかけ、ストレスの解消や心身のリラックスに効果があるといわれて います。
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フィトケミカルの分類と特徴 紫外線から体を守る 「カロテン類」 カロテノイドは、野菜や果物、えびや鮭などの魚介類、海藻などの赤、橙、黄色の色素成分の 総称で約 600 種ある色素の一種です。植物だけではなく動物性食品にも含まれる脂溶性の色 素を指します。いずれも脂溶性なので、油とともに摂取すると吸収率が高まります。 体内でビタミンAの働きをするβ- カロテンは、抗酸化作用がある機能性成分として働きます。 他のカロテノイド類も同様です。紫外線は有害な活性酸素を生み出し体をさびつかせます。常 に紫外線にさらされている動植物は、メラミン等の色素で紫外線の害から身を守っているので す。こうした色素類は人間にも有効に働き、日焼けやしみなども予防してくれます。
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紅豆杉の正式名称は「雲南紅豆杉」。学名で は「タキサス」とも呼ばれていますが、すべ て同じものです。紅豆杉は、中国雲南省など の標高 4,000 メートルもある厳寒の山岳地帯 に自生しているイチイ科の樹木です。 2 億年前の恐竜時代から、その姿を変えずに 生き抜いてきた雲南紅豆杉は、既知の有効成 分をはじめ未知の超微粒成分が多く含まれて いることが解明されつつあります。「リグナ ン類」という特殊なポリフェノールに秘めら れた様々な効果から「生きる万能薬」とも呼 ばれ、多くの研究者の注目が集まっています。 紅豆杉が自生する場所は 3 億年前は海であったと考えられており、土壌には多くのミネラルが 含まれています。4回の氷河期を生き延び、高山特有の強い紫外線を年中浴び続けても樹齢数 千年も生き続けるその生命力は正に仙樹と呼ぶに相応しい樹木です。 近年、中国政府は、貴重な雲南紅豆杉を絶滅の危機から守るために、国家一級保護植物に指定し、 伐採禁止、売買禁止にしてきました。また雲南省の高山地域に住む少数山岳民族と協力して植 林事業を行い、さらなる植林事業と研究推進のための予算を捻出するために米国と日本にのみ 例外的に輸出されています。